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  道路レポNo.1

 長野県道338号 冠着橋 (前編)

 

 

 

  長野県千曲市

 2013.5.5  探索

 2013.9.23 公開 

 

 

 

 

 長野県道338号  内川姨捨停車場線

 起点:千曲市内川(国道18号交点)

 終点:千曲市八幡(篠ノ井線姨捨駅前)

 

  国道18号から分岐し、「冠着橋」で千曲川左岸へ。

 少しだけ県道77号-長野上田線-と重複し、

 山を上って、スイッチバックで有名な姨捨駅に至る。

 

  2009年には、起点付近にしなの鉄道・千曲駅が開業、

千曲市循環バス「かむりき」号が両駅を結んでいる。

 

 

道路レポ一発目は、この一見平凡そうな県道にある

とびっきり 変な 橋のお話。

 

 


 

   

   その、とびっきり 変な 橋とは

   この「冠着橋」なのだ。

 

  

 

 

 

 

 

 「こんな橋の何が面白いのー!? どこにでもあるじゃない!」

 

いえいえ・・・

対岸まで渡れば、必ずや「こんな変な橋、初めて!」 と思うはず。

 

 

既に「タネ」をご存知の方もいるかもしれないが・・・

起点側(右岸)から渡っていこう。 

 

   1991(平成3)年竣工ということで、さほど古くもなく、

  歩道も街灯も付いて、完璧とも思える「冠着橋」。

  しかし、すぐ隣で「新・冠着橋」の建設が始まっていた。

 

  2014秋 冠着橋開通を目指して

        がんばっています。

 

  そう変わりない規模に見える、この新・冠着橋。

  一体どういうことなのだろうか・・・。

 

 

歩道を歩きつつ一枚。

 

この橋の名前の由来となった冠着山(1,252m)が 

 正面にそびえる。

 

 

年老いた親を山に捨てた・・・という伝説があり、 

「姨捨山」とも呼ばれている。 

(明確な記録は無く、あくまで「伝説」 のようだ)

 

信州千曲市観光サイト - 姨捨山 

 こちらのサイトが詳しいです。

 

 

   気持ちよく歩いてきたのだが、

  突如、歩道が消滅(汗

 

  「幅員減少」の標識と共に、センターラインも消滅。

  ひと回り狭い橋になってしまった!

 

 

  立派な欄干だったのに

  ここからはガードレールだ・・・。

 

 

 

 

   ここまでは河川敷の上だったが、

  次のスパンからは千曲川の上。 

 

  本流はもう少し先のようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩道は無くなってしまったが、引き続き右側を歩いていく。

 

 ・・・

 スパンごとにガードレールの高さもデコボコ・・・。

 

 何だか継ぎはぎな橋だなぁ。

 

 

 ! またも「幅員減少」するようだぞっ

 

 

 

停止線と共に、信号機、出現!!

 

再びサイズダウン!

遂にすれ違い不可になってしまった「冠着橋」。

工事現場でよく見かける、仮設タイプの信号が「赤」を示していた。

 

しかし、これでもまだ「生ぬるい」ものだった!

 

  信号機の脇から、更に奥を覗いてみる。

 

  ・・・

  ・・・・・・

 

 

 

 

   ・・・さらに前へ。


 

 

 

 

最初は立派な姿だった冠着橋。  

いつのまにか・・・!  

 

 

 

 

 

 

  こんな姿に!!

 

  

  変わりつづけた冠着橋、最後の姿は・・・。

 

  重量制限6t

  幅3mの古めかしいトラス橋(2連)だった(驚

 

   いやぁ・・・一連の橋とは思えん・・・


 

 

 

 

 

 

 

 

 

一旦路面を見てみる。 幅が合わない部分の継ぎ目は、宙に浮いていた(↑)

 

  

   しばし呆気にとられてしまったが、

  そろそろ、最後のトラス橋を渡ってみよう。

 

  幅が狭く、トラスが相当な圧迫感だ・・・。

  歩きですら余裕が無く、車に抜かれるたびに

  ガードレールに張り付いて一旦停止・・・。

  

 

   ・・・そんなことをしている間に、

  信号が変わってしまった(汗

 

 

振り返って一枚。

勾配の付いたトラス橋部分を、地元の方と思われる自転車が上っていった。

 

   

 

   2連のトラス橋を渡り終えると、

  最後、この短い橋が対岸へ繋がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  腕を伸ばして、上にあった銘板をズーム撮影。

 

 冠着橋

 1969年6月

 戸倉町建造

 

 

 

   合併(2003年)前の「戸倉町」と書かれた古めかしい銘板。

  (更埴市・戸倉町・上山田町 → 千曲市)

 

   1991年竣工のはずが・・・渡りきると22年も時を遡っていた(!) 

 

 

  銘板を確認するまでもなく、明らかに最初の姿とは繋がらない。

  それもそのはず・・・

  この橋は、最初からこの姿だったわけではないのだ。

 

 

  ←親柱。 昭和44年6月竣工とある。

 

 

 

 

幅が狭くなっていく様子を望遠で。

他ではなかなか見られそうもない、橋の断面が段々にむき出しだ。

 

「冠着橋」らしさが良く出た一枚だ・・・と自画自賛。

 


 

 

   渡りきると、すぐ千曲川自転車道

  (長野県道462号 上田千曲長野自転車道線)と交差する。

  現在は手前の水色のルートを通っているのだが、

  以前は黄色のルートが自転車道だった。

  

  普通の橋

    ↓

  狭い橋

    ↓

  更に狭い橋

    ↓

  渡りきって即、自転車道が交差!(止まれ!

 

   ・・・という、今より更にスリリングな(汗)道だった・・・

 

 

 

   新・冠着橋の建設に伴い、サイクリング道路は

  少しだけ移設され、少しだけ安全に。

  (カーソルオンで旧道(黄色)と現道(水色)を表示) 

 

 

   渡り始めた段階では、似たような橋をもう一つ

  造っているようにしか見えなかった新・冠着橋。

  片側交互通行の解消を目指し、建設中だ。

 

なぜ

冠着橋はあのような姿なのか。

 

 

    後編では、「つぎはぎ」冠着橋の秘密を紹介しよう。

 

 

 後編へ続く

 

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